The Game Gallery

ボードゲームに関するレビュー・プレイレポート・サマリーなどを掲載しています

2019.10 ブリュッセルの会

アートワークから長年気になっていたブリュッセル1893をしのさん、まおさん、Naoさんとご一緒にプレイ

f:id:mltgg:20191006100617j:image

このブリュッセル。なんというかものすごく変わってる。システム的にはワーカープレイスメントといえば、そういうカテゴリーなのだけど、どうすればいいか見えにくい。

構造的には、ボードの右半分のアクションエリアに「建物系(リソース入手と建築の2種)」と「絵画系(入手と売却)」と「雇用」の3系統の枠があるので、そこのいずれかに自分のワーカーを配置して処理を行う。

f:id:mltgg:20191006100641j:image

この建物、絵画、雇用のいずれもがなんらかの形で得点に絡んでいくのだけど、ワーカーの数が多くないので、どこかに絞る必要がある点まではオーソドックス。

問題になるのは、

  • アクションエリアは縦軸と四角(マス間にアイコンが書かれていて、それを4つのマスで囲む)の2系統でマジョリティがある。アクションを選択しながら同時にマジョリティーも考慮しなくてはならない
  • 四角のマジョリティーは単にコマの数で競うのだが、縦軸のマジョリティーは、「コマを配置するときに持参金」をコマと一緒にマスに配置し、その合計金額であらそうことになる。つまり、縦列ごとに最後の1マスを配置するプレイヤーが非常に有利になるため、イーシャンテンのマスを配置するのは非常なストレスになる構造になってる
  • アクションエリアは毎ラウンドごとに使える場所が指定される(スタートプレイヤーがある程度選べる)ので、選択できるアクションの数が変わる
  • 建物を立てるとアクションエリア上にタイルが配置されるので、そこにワーカーを配置すると、建物の持ち主に追加アクションが発生する

こんな感じ。ワーカーを置いてシンプルにアクションを選択したいだけなのに、マジョリティーも考慮しながら他人のマスを使うかを考えながらともう大変。

さらに、もう片方のボードには、3系統のアクションと若干異なるアクション枠も用意されている。

f:id:mltgg:20191006100712j:image

しかもこちらは、先着1名ではなく1アクションを複数のプレイヤーが選択できる。ただし、ペナルティーとして後から配置するプレイヤーは余剰にワーカーを配置しなくてはいけなかったり、毎ラウンドもっともたくさんワーカーを配置したプレイヤーのワーカーは1人減る(逮捕される)という具合。

このシステムを聞いて、「これはわからないなw」と思ったので、この時の私は比較的に見通しが良い絵画の購入と売却(ここも連続で同じ系統の絵画を売却できないなどの仕掛けはある)を中心にして、建築系と雇用系は、どちらもほどほどという展開にしてみる。

しのさんは、雇用を大量に行い「様々なアクションの結果得られる得点大」かつ「ワーカーを誰よりも多い」という方向。Naoさんは、手番順が後ろからのスタートで人の選択肢が少なかったことから建築と建築による得点を最大に得られる方向に特化。まおさんは私と似ているけど、やや建物よりという方向性。

最終的には、全員とても僅差(Naoさんが建物で大量得点を取って最終的にはトップ)。似た方向性が2人いると辛いことになるので(人を取り合う、建物を取り合うなど)全体の空気感を読みながら自分がやや得する方向を見定めるというのは難しそう。

2013年のリリースを考えるとワーカープレイスメントから新しい方向性を模索しようとして手当たりしだいにシステムを詰め込んだようにも見えるけれど、ギリギリ全体が調和をとれているようにみえる不思議な作品で再プレイしたくなる魅力を持ってる。

「補足」

2019年にリメイクされてリリースされるブリュッセル1897は、カードゲームになり様々な箇所がシンプル化されているという話。どうモダンに仕上がっているのか気になる。

ただ、リメイクされるバーションはアートワークデザイナーが、Alexandre Roche(アレクサンドレ・ローチ)さんからVincent Joaasin(ヴィンセント・ジョシン)さんに変わってしまったのは残念。ローチさんは、 トロワ・ゴールデンエイジのアートワークを担当されている方。