on MarsはVital Lacerdaさんが作った火星上のコロニー開発をテーマーにしたボードゲームです。彼らしい何重にも入れ子になったリソースとアクションの輪が特徴だが、それを一度で見渡すのは非常に難しい。
個人的に次回プレイする時のことも兼ねて気になった点を書き留めておきます
基本的な話
ゲーム開始時に3つのミッションカードが公開され全員で達成すべき目標が決定される。このミッションは徐々に達成(建物をX回アップグレードするとか。技術タイルをX枚受け取る)する仕掛けになっており、これによってゲームの進捗具合がわかる。
基本としてこの3つのミッションが達成されるとゲーム終了トリガーが発動し、もう1ラウンドプレイするとゲーム終了し、得点計算となる。
プレイヤーたちは「軌道衛星上(以後軌道)」か火星の「コロニー」のどちらかにいて、いる場所によってできるアクションが変わってくる。
軌道にいるときは、火星を発達させるための「研究開発」が主で、コロニーだと、「火星上を移動しての建設」が中心になってくる。
プレイヤーがいる場所は全プレイヤー共通ではなくて、ある人は軌道、別の人はコロニーと自由。これによって、同じ盤面でも、まった異なるアクションを考えているということになる。
そして、定期的にやってくるシャトルによって、コロニーに移動したり、軌道にもどったりを繰り返えしてゲームが進んでいく。
最初にあった3つのミッションは、この軌道とコロニーで選択できるいずれかのアクションに紐付いており、紐付いているアクションを実行することでゲームが進んでいく仕掛けになっている。
もう1つ最初に覚えておくこととして、このゲームではリソースが「クリスタル」と「鉱石」「バッテリー・水・植物・酸素」の6種類が登場する(ワーカーも含めると7種類)。
このリソースを支払うことで様々なアクションを行っていくことになるのだけど、リソースには特徴がある。
- 「鉱石」はリソースの支払い時に「バッテリー・水・植物・酸素」の代用として支払うことができる
- 「バッテリー・水・植物・酸素」は、循環関係になっており、水の施設を作るにはバッテリーが必要。植物の施設を作るには水が必要。と常に隣のリソースが必要になっている
- 「クリスタル」とその他のリソースでは保有制限数が異なる
このことは知った上で進めるのが都合が良いと思う。
プレイの流れ
肝心のゲームのシーケンスは、1ラウンド「アクションフェイズ」と「シャトルフェイズ」に分かれている。
アクションフェイズでは、手番順にしたがって「アクション1回+任意の追加アクション1回」を行う。全員が1回手番を行うと、シャトルフェイズが来る。
プレイヤーは、「軌道」か火星の「コロニー」のいずれかにいることになり、手番順トラックにおいている自分のコマの場所でどちらにいるかわかるようになっている。
重要なのは、どちらにいるかで実行できるアクションが全く異なる点に注意が必要。それぞれの場所で選択できるアクションは、このような種類になる。
軌道
コロニー
各アクションは、コストがなく「そのアクションを実行する」と宣言するだけでよいタイプと「人を配置」しないと実行できないタイプの2系統に分かれている。混乱しやすい点なので注意すること。
また、追加で指定されている内容がある場合は、そのリソースを追加で消費することで追加の効果を得る(技術獲得は本来1手番で1枚だが、追加コストを支払うことで2枚、3枚とまとめて得る)ことができる。ここが手数圧縮を兼ねているポイントにもなっている。
各自がこれらのアクションを行うと、シャトルフェイズがくる
シャトルフェイズ
シャトルフェイズは、文字通りシャトルが移動してくる。シャトルは「軌道」と「コロニー」を往復しており、コロニー側にいる時は「軌道」に戻ることができ、軌道にいるときは「コロニー」に移動できる。
シャトルがいる場所にいる乗船可能なプレイヤーは手番順にしたがって、移動するかを決定してく。
ゲーム序盤は、コロニーは頻繁に往来してくるが、コロニーに生活必需施設(バッテリー・水・植物・酸素)が整ってくるにしたがい往来頻度が減ってきて、タイミングよくシャトルにのらないと移動しずらい状況も発生してくる。
ただし、プレイヤーはコロニーのアクションで「ロケット受け入れ」により「ロケットを持っている」場合がある。この場合は、シャトルフェイズで「ロケットを消費」することでシャトルと関係なく渡航することができる。これは、シャトルが軌道からコロニーに向かっているのに、逆方向に行くことができる、といったメリットがある。
リソースの入手と生産
このゲームでは、リソースの入手と生産が独特なので、整理しておく
単発入手
特定のアクションを行った時にリソースを得られる場合がある
- 軌道で「補給」を行いボード上からリソースを得る(鉱石は含まれ無い)。ただし、軌道のリソースは補充が遅くすぐに枯渇する
- 軌道で「設計図獲得」を行う。獲得した設計図に書かれているリソースを得る。
- コロニーで「建設」を行う。建設した施設に応じたリソースを受け取る。受け取る量は、建設した施設のサイズに依存する
- シェルター施設は、クリスタル
- 鉱山・発電・集水・温室・酸素凝縮施設なら、対応する「鉱山・バッテリー・水・植物・酸素」
- シャトルアクションで、移動した時に手番順ワーカー配置スペースにリソース入手の記載がある場合
生産
生産はタイミングが独特で「コロニー」から「軌道」に移動した時にのみ生産が行われます。
生産は、火星上で建設した各施設が行いますが、「大部分の施設は建設しただけでは生産を行わない」点に注意が必要です。
- 鉱山施設 - 建設時に建設プレイヤーの人を配置し、生産開始体制となる
- その他の施設 - 建設しただけでは生産を行わない。「軌道」で該当する種類の「設計図」を持っており、対象の施設を「アップグレード」することで生産開始体制となる
つまり、施設を作って次のシャトルに乗ってすぐ生産してくれるのは「鉱石」のみで、他は全てアップグレードが必要です。また「鉱山施設」であってもアップグレードを行うことが可能で、このことにより所有者が変わることもあります。(上にある人のプレイヤー以外がアップグレードを行える)。
鉱石はクリスタル以外の支払いには、常に代用できるので非常に便利で、かつすぐ生産が開始しますが「貴重な人が減る」というデメリットも抱えています。
リフレッシュのタイミング
ボード上に置かれている様々なコンポーネントはいつリフレッシュされるのか、についてもまとめておきます
軌道上
軌道で補充が必要なコンポーネントは、「技術タイル」「設計図カード」「資源」の3種類があります。この3種類の補充タイミングは同一で「コロニーレベルが上昇した時」です。
「コロニーレベル」は、「バッテリー・水・植物・酸素」を生産する施設が、全て2つ以上、3つ以上、4つ以上、5つ以上と数条件が満たされた時に自動的に上昇します(最初は1です)。
コロニーレベルが上昇すると「技術タイル」「資源」は補充され、「設計図カード」はコロニーレベル2・3の時のみ補充されます。
コロニーレベルが上昇した時以外では補充されない点に注意が必要です。
コロニー
コロニーで補充が必要なコンポーネントは、「科学者・研究者カード」です。
これらのカードは、いずれかのプレイヤーが「科学者・研究者カード」を受け取ったら即時に、残っているカード山札の「中身を全て見て」任意の1枚を選択し、空いた場所に補充します
ワーカー
ボード上に配置したワーカーと、個人ボード上で消費して「作業上」に配置したワーカーでは、戻ってくるタイミングが異なります。
- ボード上 - 渡航して対象の場所に移動した時に回収します。つまりコロニー側に配置したワーカーは、「軌道からコロニー」に移動した時に戻ってきます
- 個人ボード上 - 渡航すると必ず戻ってきます
戻ってきた時に所有制限を超えていた場合は、サプライに戻します。
その他
軌道からコロニーに移動する時の発見タイルは、取り除いたら即時補充します。
気になる点
最後に個人的に忘れそうな点をまとめておきます
- 施設を建設する時に他人の技術を使うコストは無料です。利用されたプレイヤーは「酸素」1個をサプライから受け取っておき、利用したプレイヤーの手番終了時に、酸素をそのまま受け取るか、「酸素を返却し」利用された技術を「無料」で1段上昇するか決定します。
- 全ての施設アップグレードには「鉱石」が必要です。また、軌道で「設計図」を受け取らない限り、アップグレードはできません
- アップグレードした「設計図」による「追加アクション」で施設の建設が可能なものがあります。これは「追加で人を消費することで必要な技術レベルを一人につき1上昇することができる」という特徴がある
以上です。よい火星開拓を