Stefan Feldさんお得意のパズル的な要素の濃いタイプのゲーム。Hall Games社経由で出るのは、「デルフォイの神託」以来4年ぶり
特徴
複雑なバックグラウンドはあるのだが、要約すると「各プレイヤーの手元にあった7つの篝火が全部消えて、中央に1つだけ残ってる。再び篝火を灯してゆこう」というのがテーマらしい。
このため、全員で一定数の篝火を灯したらゲーム終了フラグがたち、驚きの5ラウンド後にゲーム終了という仕掛け。
手番の選択は3つ(各アクションの名称は不明なので、正しい名称はルール参照のこと)。
- アクション獲得タイル配置
- アクション実施
- 篝火を灯す
この3択。
このゲームで曲者なのが「アクション獲得タイル配置」。
実際のところ「アクション実施」は、6種類の選択肢があり(船の移動・試練の獲得・通路の確保・守護者移動などなど)、どれから行うか悩ましいのだけど、「実施したい種類のアクションタイル」を持っていないと基本的に実施できない。
そのため、先に「実施したいアクションのタイルを確保する」という周りくどい事が必要になる。それが「アクション獲得タイル配置」。これはパズル。
1枚につき3つのアクションが描かれたタイルを個人ボードに配置することで、タイルに描かれているアクションタイルがもらえる。
配置したタイルに描かれている3種類のアクションタイルがそれぞれ1枚貰えるのだけど、配置時に既存タイルの同じ種類のアクションと縦横に連続した場合は、その分を追加でもらえる。
つまり6種類のうち半分の3種類のアクションタイルしかもらえないので、既存のものにつなげて数をたくさんもらいたいのか、繋がらなくてもいいので新しい種類のアクションタイルが欲しいのかを「悩むことが非常に重要になる」。というのも、このアクションタイルを獲得する時点で「この後に自分が何をして、どこで点数と取りたいのか」のビジョンがないとアクションタイルをとったがいいが、何をしたいんだっけ?となって取り返しがつかない。
さらに、アクション獲得用のタイルは残った手元から何でも配置できるわけでもなく使える順番が決まってる上に、手持ちのアクションタイルが2枚以上ある状態では配置すらできない(廃棄することはできる)。破棄しない限り一旦入手したアクションタイルを何とか使ってから初めて次のアクションタイルを得られる。
このゲームは、どのアクションをプレイしても何らかの得点要素には結びついていくゲームなのだけど、このなんでも好きなアクションを選択できないので計画的にね!という不自由さがプレイの悩ましさを生んでる。
では、得点はどうやって獲得するかというと、オーソドックスな得点の流れは、こんな感じ
- 船を移動する
- 試練を獲得する
- 試練を達成するための条件を整える(特定リソースをX個得るとか、アクション獲得タイルを特定の形で配置とか様々)
- 試練を達成する(篝火になる)
- 達成した試練の場所につながる通路・ポータルを設置する
- 守護者を移動させて、火が灯った篝火に入る
もちろん、先にポータルや通路を作っておいてもよいし、一定数ポータルや通路を作ることでも点数は入る、しかし、オーソドックスな流れは、試練を獲得して篝火を灯すというながれになるのでは、と思う。
毎回出てくる試練は異なるので、自分が達成したい試練などをある程度序盤に考えて、計画的に進めていけるかが重要になる。
所感
タイル配置系パズルゲームなので、私はもちろん苦手。
得点要素は、書いている以外にもまだまだあり(特殊カード獲得やら残った篝火からのボーナスなどもある)、ある程度は手なりでプレイしても何とかなると言えばなる(勝てるとは言わない)。
アクションタイルも2個で出せばワイルドになったり、それこそワイルドのアクションタイルも数は少ないけど得られる。なので完全に手詰まりになるということはないけれど、効率性と計画性、そして先駆性をパズルを通じて問われていく。
いくつかの要素で早取りがあるので、そこがインタラクションになっている以外は、ソロゲームなのでその辺りでも好みは分かれると思う。
早取部分は自分が急ぐ以外に妨害手段はほぼないので、その時に適切なアクションタイルを持っているのか、それとも2個1で使ってもなんとかしたいのか、というのは悩むところ。
そうそう「最近のフェルトさんはこういう感じ」というのと「Hall Gamesのデペロッパーは、このテイスト好きなんだな」というのを再認識したゲーム。