トロワは、Sébastien Dujardin, Xavier Georges, Alain Orbanの三人によって作られ、2010年にリリースされたボードゲームです。
2010年前後は、デッキ構築・ワーカープレイスメント・ドラフトゲームなど現代につながるメカニズムがメインストリームに登場し、様々なシステムが模索されていた時期でもあり、名作・迷作・怪作が生まれた時代でもあります。
そんな時代に生まれたトロワは、システム構造上の独特さと「トロワ語」とまでいわれたカード読解の高難易度が合わさって当時の人類には早すぎた作品の1つでした。
そんなトロワを次回プレイする時のために、気になる点をまとめておきます。
基本的な話
このゲームでは、毎ラウンド召集できる市民(ダイス)を使役することで、利益を得ていくというのが基本コンセプトです。
ユニークな点は、このトロワの街は常に襲撃や不幸なイベントに見舞われており、召集した市民を経済活動だけに費やすわけにはいかない点です。
襲撃には必ず対処しないとならず、召集した市民がそちらに奪われて計画が狂うことがしばしば発生します。プレイには計画性が求められますが、市民の力はダイス目で運次第・どんな不幸がやってくるかも運次第というところがこのトロワの特徴です。
もう1つのこのゲームの特徴は、割り算にあります。
「赤ダイス÷4」といった表記がトロワ語としてあちこちに書かれています。これは、「赤いダイス(市民)を任意の個数割当て、その合計数字を4で割り算し、波数を切り捨てた値が実行できる回数」となる、ことを意味しています。
つまり、手元のダイスの数も重要ですが、「ダイス目の合計」がいくつになるかも重要です。実行したい対象が、割り算が「2で割る」「3で割る」「4で割る」などどうなっているのかを見ておくことで1手番で何回対象のアクションが実行できるかが変わってきます。
各ラウンドは、全プレイヤーがパスすることで終了しますが、手番ごとに何個のダイスを使うかは自由なので、パスせざるを得ないタイミングもバラバラという点も変わっています。
人数によって変わりますが、一定のラウンドを行うとゲーム終了となり、得点計算して勝者が決定されます。
プレイの流れ
プレイの流れは、やや複雑です。列挙すると以下の感じ。
- 活動カードの公開
- 収入と給与支払い
- 市民召集
- イベント発生と対処
- アクション実施
- ラウンド終了
興味深い点をチェックしておきます
活動カードの公開
プレイヤーが市民を利用して実行できるアクションが書かれていて、「赤」「白」「黄」の3系統があります。
それぞれ3枚あるのですが、ゲーム開始時には伏せられており見えません。1〜3ラウンドのこのフェイズで、それぞれ1枚ずつ公開されていくのです。
最終的に9枚の活動ガードが公開され、様々なアクションが選択可能になるのですが、序盤ラウンドではどんなコンボが成立するかは分からず手探りするしかありません
また、各活動カードを利用するためには、初回に限り一定のお金を支払って自分のミープルを配置する必要があります。しかし、早くミープルを配置するほど得られる勝利点が多くなることから、全体のコンボが見えてからでは他プレイヤーに出し抜かれる、というのも特徴です。
イベント発生と対処
イベントは、毎ラウンド2枚のカードがめくられます。カードによっては、即時効果を発揮するものや、永続的に効果を発生するものなどいろいろですが、「良いイベントは全くありません」。つまりプレイヤーにとってロクでもないことしか発生しないのです。
そして、襲撃に指定されている数だけ「黒ダイス」を振り、手番プレイヤーから対処してゆきます。
対処とは、残っている黒ダイスで最も大きいダイス目のダイスを1つ以上破棄することです。破棄するには、手元の市民を同じダイス目になるように複数個を使っても破棄しなくてはなりません。
ここでプレイの流れが問題になってきます。
フェイズ2で収入と支払いがありますが、支払いは「そのラウンドで召集するダイス数と種類」によって決まります。
つまり、市民への支払いは先に終わっているのに、フェイズ5のアクション実施で使うより先に、襲撃への対処でいなくなってしまうのです。
特別に「赤いダイス」は、襲撃に対処する時だけ、ダイス目を2倍にできるという特典を持っていますが、襲撃の対処以外ではそうした特典が無いうえに、給与は最高額です。
必ず手番プレイヤーから襲撃に対処しなくてはならないので(黒ダイスが残っていれば、全て対処完了するまで、手番順に回ってくる)、自分の手番時にどういうダイスの構成にするのかがポイントになります。
アクション実施
アクションの実施では、様々な経済活動(活動カードを利用する、大聖堂を建設する、農業を行う)がありますが、全て市民(ダイス)を使って行います。
行いたい経済活動によって指定されている色のダイスを「実行したい回数になるような合計目」にして使うのが大切です。しかし、都合よく自分のダイスではそうした値にならないことが多いでしょう。そういう場合は、「他人やNPC(四人未満の時に出てきます)」のダイスをお金を支払うことで利用できるのです。
つまり金さえあれば、他人のところにやってきた優秀な市民を引き抜いて自分のために使うことが可能になります(もちろん使ったダイスは除外します)。
襲撃も終わってアクション実施になって、さあどういう活動しようと計画しても手元のダイスがなくなることすらあるのです。
こうした様々な不確定要素を読み解きながら、最高のコンボを考え出して勝利点を稼ぎ出してゆくのがトロワになります。
間違いやすいと思うポイント
- 活動カード上にミープルを配置する空きマスが残っていなくても、配置して利用可能(勝利点は0)。
- 各ラウンドでパスした時に、「ボード上にいずれかのプレイヤーの未使用のダイスが残っていれば2金を受け取る。手番が回ってくるごとに追加で1金を受け取る」
- 活動カードに配置するミープルは、2影響力を支払って新規購入してもよいし、配置済みミープルを移動してもよい
- ゲーム終了時に、未解決で終了したイベントに自コマが1個でも配置していれば1点
拡張で間違いやすいポイント
- 外部の拡張4箇所は、1回の手番では、各地域に1個までしかキューブを置けない。
- 外部の拡張で「LV3」は、「2金支払って購入できるのは紫」。また同じ色のダイスを消費して、キューブを配置できない
プレイエイド日本語化
ゲームについてくるプレイエイドは割と便利なので、日本語化しておきました